#ゆずなつ
注:傷の写真などがありますので、苦手な方は注意して読んで下さい。
1.腫瘍の発見
2021年11月14日
リラックスしたなつくんを観察していた時のこと、左足に1センチ弱のできものを見つけました。ひっかき傷やかさぶた、舐めハゲの感じではなく、ぷっくりとふくらんだ様子でした。本人はその部分を特段気にする様子もなく、食欲もあり、体調が悪いというそぶりはありませんでした。
11月15日
朝一番で病院へ連れていきました。獣医師の見立てでは「肥満細胞腫」の可能性があり、細胞を少し取って病理診断をしてもらうことになりました。(ちなみに「肥満細胞腫」と肥満の関係はないらしいです。)
11月22日
病理診断の結果、やはり「肥満細胞腫」であるとの診断を受けました。「肥満細胞腫」には皮膚にできる皮膚型肥満細胞腫、内臓にできる内臓型肥満細胞腫とがあり、皮膚型肥満細胞腫は経過が良いものが多く、内臓型肥満細胞腫は経過が悪いものが多いそうです。どちらにしても腫瘍を切除する外科手術の必要があり、身体の状態・そして内臓の状態などを確認するために、まずはレントゲン検査とエコー検査、血液検査を行うことになりました。
・病理診断書 所見
「スライド細胞密度は高く、多数の肥満細胞を認める。肥満細胞は直径15-20µm程度で類円形、広い細胞質をもち、紫色の細胞質内顆粒を多数有している。核は中心性、円形でクロマチンは微細顆粒状、核小体はみられない。軽度に異型性がみられ、細胞および核の大小不同、複核細胞がみられる。」
11月24日
午前中に病院へ預けて、午後から各種検査を受け、夕方お迎えに行きました。血液検査の結果及びレントゲンやエコーでも内臓に顕著な異変は見られないことから、まずは外科手術により、腫瘍部分とその周辺(7センチ程度)を切除し、切除部分を病理組織検査にまわすという方針を決定し、11月30日に手術をすることになりました。
半日病院に滞在したことで、なつくんの身体に病院の匂いや他の動物の匂いなどがついたのか、帰宅したなつくんにゆずちゃんが怒ってシャーシャー言い、近づいたら猫パンチをすることもありました。
これまでいつも仲良しのふたりだったので、驚くとともにショックを受け、元の仲良しな姿を見せてくれるようになるのかとても心配しました。
なつくんとゆずちゃんのように仲良しな姉妹猫さんを飼っていて、入院経験を持つ猫友さんに相談したところ、入院後にシャーシャーしても1週間も経てば元通りになるから、安心して見守るといいよというアドバイスをもらい、その言葉を胸にふたりが落ち着くのを待つことができました。
11月26日
身体の匂いや心も落ち着いたのか、ゆずちゃんとなつくんはいつもどおりグルーミングし合って、くっついて過ごすようになり、このことにまずは一安心しました。
2.手術
11月30日
午前中に病院へ連れていき、午後から手術をしました。
・手術内容
「皮膚の肥満細胞腫が疑われるため、切除および病理組織検査を行います。予後は病理組織検査結果により異なりますが、悪性度の高い腫瘍では再発や他部位への発生、術後に抗がん剤などの治療が必要となる場合もあります。」
夕方には無事に手術を終えて麻酔から覚めたことから、予定通り一晩は病院で過ごし、翌日お迎えに行くことになりました。おうちでお留守番のゆずちゃんはいつもと違う事を感じているのか、普段はしない無駄鳴きをたくさんしていました。
12月1日
お迎えに行くと、なつくんは病院で鳴きすぎたのかちょっと声が枯れていました。病院で与えられたご飯は全く食べなかったとの報告を受けたので心配したものの、帰宅すると安心したのか沢山ご飯を食べました。一晩眠れなかったのか、ご飯を食べ終わると大好きな猫ベッドや人間のお膝やお腹にぴったりとくっつき、軽くいびきをかいてぐっすりと眠りました。
病院で2日間過ごし、エリザベスカラーを付けて帰宅したなつくんに、ゆずちゃんはびっくりして、またシャーシャー!!今度はカラー姿のなつくんが怖いのか猫パンチはせずに距離を取って過ごしていますが、前回の経験により、しばらくしたらまた元通りになるだろうと静観していました。
カラーを付けた生活が初めてだったので、色々なところに引っかかる危険性や、お水やご飯のお皿も考慮しないといけないと思い、様子を見ながらおうちをカスタムしていきました。2つあるトイレのうち、1つは上部カバーを外し、使いやすい方を使えるようにしました。お皿は高さがある方が食べやすそうでしたが、カラーが引っかかって倒れることもあったので、高さがあるものと平たいもの、2種類を用意しました。
術後の身体の状態は想像していたよりもはるかに良くて、手術した左足も気にならないのか、カウンターやベッド、キャットタワーにも登ったりするほどで、歩行にも全く支障は見られません。手術前は歩行の不安を考えていましたが、予想外に元気で、むしろ傷が開きそうな事が怖くて、もっと大人しく過ごしてほしいと思いました。
病院からは5日間の薬(錠剤・2種類)を処方されました。まずは大好きなチュールに混ぜて食べさせようとしたけれど、全く食べません。鼻に付けて無理やり舐めさせることで1回分はなんとか摂取させられました。食べ終えるまで30分くらい格闘してしまって、お互いにストレスがかかるので、他の投薬方法に変えないといけないと思いました。
12月2日
投薬経験のある友人に自宅へ来てもらって、口の中に直接薬を入れて飲み込ませる方法を教えてもらいました。最初はおっかなびっくりでしたが、これだと一瞬で終わるので投薬が楽になりました。
12月4日
見守ってあげられる時間帯でカラーを外してあげるとゆずちゃんもシャーシャー言わずアログルーミングを始めました。ゆずちゃんがなつくんの手術痕を舐めることはなかったので、お留守番の時以外は完全隔離する必要もなく、ふたりのストレスも少し軽減できたかなと思います。
12月6日
投薬も無事に終わりました。傷の状態は赤みもおさまってきて良い感じに見えます。
3.病理組織診断結果
12月10日
病院へ病理組織診断結果を聞きに行きました。腫瘍は綺麗に取り切れて、悪性度も高いものではありませんでした。よって、放射線や抗がん剤など予後の治療も必要なく、半年に1回の血液検査をして、注意深く経過を観察していくことになりました。
・病理組織診断書
「真皮には細胞充実性の浸潤性腫瘤が形成されている。腫瘤は類円形細胞のシート状増殖より構成されており、少数の好酸球が混在している。腫瘍細胞は細胞境界明瞭であり、豊富な好酸性顆粒状細胞質を有する。核は小型類円形であり、粗雑なクロマチンと明瞭な核小体を有する。異型性は軽度であり、有糸分裂像は高倍率10視野に1個以下である。
マージン評価:検査標本上、約3mmの深部マージン、および少なくとも約3mmの水平マージン(4方向を検索)が確保されています。」
12月13日
無事に抜糸を終えて今回の治療はひとまず終了となりました。
4.公表に至った経緯
まず、猫の肥満細胞腫と聞き自分なりに色々調べた時、比較的軽度なものから、重症化するものまでステージがあり、なつくんがどのレベルのものなのか、とても気になりました。11月22日の病理診断から12月10日の病理組織診断を受けるまで、なつくんと同じような経験をされた方がいないか情報を探しましたがなかなか見つかりませんでした。今回、この病気の事を公表しようと思ったのは、もし、同じような症状が出た方がいた時に、少しでもこの経験が参考になればと思ったからです。なつくんと同じような肥満細胞腫であれば、早期に発見して切除することで、良い方向へ進む可能性が高くなるのかと思います。
また、日頃から愛猫のお世話をするなかで、このような出来物がないかどうか、チェックしてあげることは本当に大切なことだと感じました。私にはきちんとした獣医学的知識はないので、細かい表現に違っているところなどあるかもしれません。気になることがあれば是非獣医さんに相談してみてください。
約1ヶ月間、たくさんの不安がありました。心配性が炸裂してしまった私は、小さな出来事でも全てマイナス方向に考えてしまい、不安に押しつぶされそうになっていました。
そんな中でも、難しい医療用語や診断内容をひとつひとつ丁寧に・親身に説明してくれる獣医さん、そして投薬やエリザベスカラーでの生活や多頭飼い特有のアドバイスなど、治療中の日常生活について相談に乗ってくれる友人に沢山支えてもらいました。
毎日毎時、ジェットコースターのように変わる私の喜怒哀楽の感情に寄り添い、時には優しいアドバイスも突き放してしまうようなひどい私に、根気強く付き合ってくれた友人には感謝だけでは伝えきれない感情しかありません。
家族そろって平穏な日常を取り戻せたことにひとまず感謝しかなく、この経験が少しでもどこかで誰かの役に立てばいいと心から願っています。そして、これからも変わらず、なつくんとゆずちゃんに沢山愛情を注いで、少しでもふたりが長く幸せに過ごせるように、私も頑張っていきたいと思いました。
・・・・・Special Thanks
神原動物病院(西宮市)
友人E(nekoemi)
友人Y(とんこ)
友人H(habaoneko)
友人Y(yukako)
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